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意識障害・寝たきり(廃用症候群)患者の生活行動回復看護の研修
長期意識障害(consciousness disorder)・廃用症候群(Disuse syndrome: 寝たきり(bedridden))にある患者は、老若男女・地域や療養施設にかかわらずその数は正確に把握されていません。しかし、高度医療の進展に伴い、救命はされたものの生活行動が困難な障害を抱える患者は多い。なかでも脳卒中や心肺停止、心疾患による低酸素脳症などの疾病により長期的の安静状態を強いられるケースが多く、こうした安静状態によって引き起こされた意識障害の遷延化や身体機能の廃用性により生活全般を他者に委ねる生活になる患者は多く存在します。このような患者においては、それまでの人生すべてが閉ざされ、また家族などの介護の負担も大きく、患者と家族のQOLの低下は避けられない状況にあります。
そこで、このような患者の身体的変化を生理学的、病理学的視点からアセスメントを行い、生活行動が自立へと導くための看護の展開が必要です。この看護は、基礎教育で学ぶ看護技術を基盤にしつつ対象者の状況に応じ自立への治療的概念をもった新しい看護技術です。そのためには、医学や歯学、運動学などの学際的知識を深化させ、対象者に応じた技術の提供方法を学ぶ必要があります。本研修は意識障害が長期化したり、廃用症候群による寝たきり状態になった患者の生活行動の回復を促進する専門的技術を習得するために開設いたしました。また、生活行動回復のため実践のエビデンスを構築するために、学術集会の開催や学術論文の作成を行っております。